Miki Uehata
うえはた みき
きっかけは1枚の遺影写真でした。
25歳の頃、写真屋さんの受付で働いていました。
お客様が持ってこられたフィルムやデータをプリントする仕事です。
ある日「このプリントから父の遺影を作ってください」というお客様が来られました。
手のひらサイズの小さな写真に写っていたのは、どこかに旅行に行ったときに撮ったと思われる集合写真。
和やかな集合写真の中に、そのお父様はいらっしゃいました。
ここからお父様だけを切り取り、引き延ばして遺影にするのです。
当時の小さすぎる写真から無理に引き伸ばして大きい写真を作ると、まるでお顔にモザイクがかかったようにぼんやりとガタガタになってしまいます。
きっと笑顔だったお父様も、大きく引き伸ばすと表情がぼんやりしてしまいました。
その時、まるでお父様のお顔にモザイクがかけられたような気がして、いつものお父様のお顔はもう一生、はっきりと見ることはできないのかと、悲しさを感じたことをはっきりと覚えています。
それが、人を写真にして残していこう、遺影を撮っていこうと決めたきっかけです。
今も写真を撮っているのは、ここが原点です。
あなたがこれから生きていく中で、支えになるような写真を届けたい。
人のつながりや、人が大切にしているものにしっかりと向き合って、
楽しく、その時の空気を大切に、写真を撮っています。
MIKI UEHATA うえはた みき
2005年に京都の写真館に就職。
2009年に業界誌記者として写真を撮りながら記事を書く。
その後結婚出産を経て、再び写真の世界へ。
2015年にフリーランスフォトグラファーに転身する。
生まれたての赤ちゃんから人生の先輩まで、著名人・企業撮影を含め、様々な人物の写真撮影を行う。
三線とギターがちょっとだけ弾けます。
60年代~80年代の邦楽・洋楽も好きです。
沖縄に今すぐ行きたいです。
2人の子供達の母です。